九州電力川内原発に近接して活断層?

川内原発に近接して活断層?
  九電・規制委の厳密な調査を求めます



 2月9日、 鹿児島県薩摩川内市の文化ホールで、川内原発の再稼働に反対する学習会と会の総会のあと、地元の方たちと入来町の炭焼き小屋(地元の方がそう読んでいる)で楽しい懇親の場を過ごした翌10日午前中、地元の活断層研究グループの方々に案内されて、原発周辺の地層や断層を見学。
 私自身はこの川内には3度目かな。その都度、1日地元の方たちとフィールドワークをしてきました。2年前には藺牟田火山や周辺の火砕流、その時は「死都日本」が発刊され、火山学の分野の専門家からも本格的な巨大噴火の切迫性が取りざたされている時期でもあったので、それとの関わりで,案内して頂いた。当時はまだ、研究グル-プという形ではなかったのですが、昨年訪れて、第四紀地質を志す新たなリーダも得られたので,是非グループで活動したらどうか、という提案が受け入れられて、その後、調査をされたり、解説本を出されたりしている。

 今回は、九電が風車(今の所、2基だがゆくゆくは14基とのこと)の建造のために道路を拡幅して、新しい露頭が続いているので、それを見ようということで案内頂いた。
  道路は図にみられる旧道を拡幅したものだが、露出する岩石は北側が秩父層群に属する砂岩と泥岩の互層と、その南の北薩古期および中期火山岩類。
  古生代から中生代にかけて、当時の海溝で堆積したとされる秩父層群には古い時代にできた断層が頻繁にみられますが全体としては南に急傾斜した地層です。ところが、そういう地層中に、細い筋状のものが走っていて、断層ではないだろうかと言うわけです。場所はグーグルの映像に書き入れました。断層の走向傾斜も書き入れてありますが、北東ー南西方向にのびるほぼ垂直の断層というわけです。

 
google川内

 その断層ではないかというものを見ると、露頭の下から上までほぼまっすぐに走る、幅20cmないし30cmの破砕帯を伴う紛れもない断層。しかも、その中心部分には軟らかく、指でこねることのできる断層粘土ができています。その断層粘土の軟らかさから、比較的新しく活動したものと推定されます。残念ながら、この露頭では上位に新期の地層が重なっていないので、断層の活動年代を推定する唯一の根拠は断層粘土の柔らかさです。粘土鉱物の化学分析からも推定できるかも知れません。こういう性状を持った断層は少なくとも3本、近接して観察されます。
 この断層中粘度中には白く変質したような粘土も筋状にあるので、更に検討が必要です。下に露頭の写真を示します。


DSCF1403.jpg

  さて、この活断層の可能性の高い断層露頭は、衛星写真上で、原子炉からの距離が740m。

  下に3葉の航空写真(国土交通省の国土情報ウェブマッピングシステムから)を示します。興味があれば是非見てください。1949年撮影のものです。当然、まだ原発はありません。
  断層はその走向からして、敷地に延びます。この航空写真、よく見ると、敷地中央にほぼ東西に走る活断層らしき地形や、先ほどの断層の北東への延長部の谷や南西方の地形も気になります。私自身は航空写真で活断層を判定する力量はありませんので、ぜひ、その分野の方々の協力を仰ぎたいですね。

   
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  地元の方たちには、断層の観察・記載と断層粘土の試料採取をお願いしてきました。

  活動年代がまだはっきりはしません、しかし、12~13万年前以降に動いた活断層の可能性が極めて高いと思います。九電・規制委へ、より詳細な調査を求めたいと思います。


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東電、規制委へ誤データで申請

東京電力の柏崎刈羽原発6・7号炉適合性申請の問題(1)

  誤ったデータで申請、規制委は見抜けるか。


 東電の申請資料、膨大なためになかなか目を通すのは大変。でも、耐震安全性に関わる地質や地震のデータはもう一度念のため、っていうわけで、今日の柏崎刈羽原発活断層問題検討グループの会合のために,昨晩、遅くまでチェック。とんでもないデータが使われていた。

下の図は、敷地内の群列ボーリングの解析結果を断面の形で表したもの。この図は、敷地内の変形/変動に関わって何枚も同じものが使われる代物。

2014年02月13日21時46分24秒

この図は見たことがある。思い出した。

 そう、2007年の中越沖地震の後、敷地を通る真殿坂断層をまたいで東電が新しくボーリング掘削して、その解析結果を示したのがこの図の下の方の図。

 しかし、これは2008年、新潟県の「地震、地質・地盤小委員会」の場で、私が、これまで西山層の上限面平面図で示してきたものと齟齬がある、誤っているのではないかと指摘して、修正を施したはず。

  2008年暮れに修正して出てきたのが下に示した図。
  2枚有るが、上の方はボーリングの位置と、西山層の上限面分布を示した図。 
  それを参考にしながら、あらためて断面図を直しました,というのが一番下の図。

敷地内断面
敷地断面1

  如何です。東電は一度、間違っていると修正した図を、又平然を規制委に提出しているのです。

  なぜ、この図が問題なのか、それは左から3つ目のボーリング、G-7ですが、その約100m南の地点で、東電は福島事故のあと新たなボーリングをして、深さ-40mの所に西山層の上限が来るとし、さらに-30mくらいの所に、加久藤火山灰(およそ33ないし34万年前)を見いだしたとしているからです。そして、敷地内の断層の活動年代を30万から20万年前とする重要な根拠にしているからです。左から3本目の深さを見てください。西山層の上限はもっと浅くなっています。100m南に行くと深くなるかも知れません。それをチェックするのは、真ん中の西山層上限等深線図ということになります。非常に微妙、ほんとに新しく掘ったG-16(加久藤火山灰はこのボーリングだけ)の資料に疑義が生まれるのです。私たちにも、ボーリング試料を観察させるべきですね。

  まあ、私は、県技術委員として、何としても、このボーリングをはじめ、ほかのデータもチェックできるよう,求めます。


  下の二つの図が小さくて見にくい場合は、新潟県のHPで(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/2-2-jisin15-3.pdf)でご覧ください。

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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