スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

福島第一原発1号機原子炉建屋4階の調査について

福島第一原子力発電所1号機原子炉建屋4階の調査について

  2015年2月21日、新潟県に原子力発電所の安全管理に関する技術委員会委員5名が、福島原発事故の検証の一環として、東京電力の案内で、1号機原子炉建屋の4階での現地調査・観察を行いました。委員として福島第一原発を訪れるのは二回目。前回は免震棟と一~4号機周辺、それと5号機の中でしたが、今回は委員のお一人田中三彦さんの強い要望で、1号機の4階、ということになりました。実現の運びになったのは、県の原子力安全対策課と東京電力の間の粘り強い話し合い・調整があったからです。特に東京電力には調査実現に向け、事前の下調べも含めて、多大な労力と時間をかけました。なにせ、原子炉建屋の中は、全体としてまだ高線量、場所によると200だとか、300mSv/h のポイントがまだらにありますし、がれき撤去もできていません。足場が悪く、水も抜けきっていないところもあります。案内する側として大変な気苦労だったろうと思います。なお、調査に際しては、余分な物は一切持たない、その代わり、線量計測と、写真・ビデオについては同行する東電社員の方で可能な限り応じる、と言うことでした。いくつかの写真は調査後、提供された物です。
 各自線量計を身につけていますが、8mSvになったら、調査を終え、退出、と言うことにしました。私の線量計はトータル7.84、高い人は8を超えていたようです。

 写真の左,黄色いヘルメット姿が私です。
IMG_9448.jpg

 とりあえず、写真のみ、掲載しておきます。文章は少しずつ,手を入れます。ご容赦を。
 22日の新潟日報にも掲載されていた写真です。
 オレンジ色がIC(非常用復水器)本体です。南側から臨んでいます。
IMG_9496.jpg

 この本体の近影。
IMG_9509.jpg
 白くはがれ落ちているのはすべて保温材。

 このIC本体の北側とその周辺保温材の損傷はより軽微です。
 しかし、北側にはぐにゃりと曲がった鉄筋を何本も含むコンクリートがれきが大量にあります。その周辺では80mSv/hが観測されました。

 問題になっていたのが、SLC(ホウ酸水注入)系の状況。この周辺はこれまで未調査。この間、この付近が着火点という調査報告書について、線量がさほどでなければ、見てみたいがという要望が委員から出され、調査しようと言うことで、東電は事前に周辺の線量を測定しつつ、初めてこの機器周辺を見た由です。政府事故調ではこの周辺が水素爆発の着火点としていますが、この周辺はほとんど損傷がありません。ただ、ダクトは破損し,垂れ下がっています。
 IMG_9478.jpg

 終了後の講評/記者会見では、委員こもごも、得られた資料(映像や写真)等の総合的解釈が必要と発言されていましたが、その通りだと思います。委員の間での意見交換/討論も必要です。
  ただ、講評の中で、見たくても見れなかった、明かりが足りない,との意見がありました。それは国会事故調が、地震発生当時、4階で作業していた協力企業社員数人が目撃していた出水について、規制委員会の事故分析検討会の中間報告で出水箇所とされている場の確認ができなかったからです。
 目撃した社員の出水目撃箇所に関する規制委資料(中間報告書)の写真。
出水箇所1
 
その付近の設備の説明図です。
出水箇所拡大3
 規制委事故分析委員会は、「IC系ベント配管や、電線管、ダクトなどは水が通る可能性がなく、水が通る可能性のあるドレンライン⑨や溢水防止チャンバーからのドレンライン⑱は、現地調査で配管損傷や破断等は確認されなかったことから、出水箇所となる可能性のある設備は『溢水防止チャンバ』のみと判断し、出水は使用済み燃料プールのスロッシングで溢水防止チャンバに流れ込んだ水が、溢水防止チチャンバのパネル結合部の隙間から漏れた可能性」を指摘している。

 で、この場所を拡大したのが次の規制委事故分析中間報告の写真。
4階出水破断1
 ここで問題になるのは、白く見える①IC系ベント配管を右に追って、数字の⑤から⑥の下に見られる亀裂。規制委事故分析検討委ではこの写真を見ながら、この亀裂のように見えるものを何ら検討していませんが、田中さんに言わせると,これは単なる光の加減でそう見えるだけなのか、それとも、配管に亀裂が走っているのではないのか。そして、この亀裂は、IC系配管が地震によって損傷した可能性を示しているので、ここを検証したかった。この写真はかなり明るいが、今回の調査ではこれほどの明かりはなかったのではないか、と主張されているのです。
 確かにこの拡大写真では、亀裂のように見えます。爆風でできた傷には見えないですね。規制委員会の事故分析委員会は現調で、周辺の配管等に損傷や破断はないと言っていますが、これは現物を見て検証したわけではないと思われます。ここは天井に近く配管等が張り巡らされた箇所で、近づいて、観察したり、手に触ってみることは不可能です。写真で判断するしかないと思います。水が通っていない配管から出水はしないでしょうから、出水のメカニズムは別にして、これが亀裂だとすれば、地震によって配管等が損傷した可能性を示す物として大きな問題ですね。

  大物搬入高のふたの問題も含めて今少し検討が必要です。(未完)
スポンサーサイト

横環南公聴会参加・傍聴記

横環南公聴会口述・傍聴記

 1月31日(土) 横浜市戸塚公会堂で開催された首都圏中央連絡自動車道新設工事(高速横浜環状南線)並びにこれに伴う一般国道等工事に関わる公聴会に公述人の一人として参加するとともに、ほかの10人の方々の口述をお聞きした。私の口述内容を簡単に報告するとともに、印象に残った口述について記述しておきたい。
 なお、この公聴会は、地元住民の反対運動が根強く続けられる中、、国土交通省として土地収用手続きに入るために、法的に求められる公聴会です。この会で出された多様な意見、とりわけ、地元住民の切実な思いや、南線工事による住環境破壊、安全性への危惧、不法性の高い手続き等についての論理的な意見を真摯に受け止めることを強く求めたいと思います。

 一昨日に比して、首都圏は好天気になり、陽射しがまばゆいくらいです。会場になった戸塚公会堂のそばを柏尾川が流れています。 暫時の休憩時間に会場を抜け出し、河川敷を散策すると、なんと、大きな鯉が何匹も群れています。20年ほど前に放流したのが成長したのだそうです。鵜がいます。そばをJR東海道線が走り、その駅舎そばですからね。都会生活の中でのほっとできる空間造り、人々の涙ぐましい努力を感じますね。

 直下地震への備え、明確に応えられない起業者:東日本高速(NEXCO)。
 私の口述内容は先日のブログにも書きました。ダブるところもありますが、要は、進展する首都圏直下地震の科学的予測に対して、安全を確保するために、地震工学的な対応を危機意識を持って進めているかどうかですね。
 口述持ち時間は30分、起業者からの回答を引き出し、再質問する時間をとりたいとの思いから、極力、こちらの説明は要点のみを簡単にしました。
 使用した図を2枚再掲します。
  
 パシフィックコンサルタント(株)総合研究所:平成7年阪神大震災(兵庫県南部地震)被害調査報告書から1995年の兵庫県南部地震の際の阪神高速倒壊の様子です。

  阪神高速倒壊
これがどのくらいの地震動で発生したかですね。大西・山崎・田山・福田(1997)「高速道路における地震被害と地震動強さの関係」  第24回地震工学研究発表会講演論文集によると、
加速度と地震被害神戸 ここで  被災度というのは「道路震災対策便覧(震災復旧編)」の「橋梁・高架の耐荷力に関する被災度」に沿って As: 落橋  A: 大被害 B:  中被害  C: 小被害 に分類されています。このグラフを見れば、高速道の落橋や大被害は地震加速度500~700ガルで発生しています。
 こうした地震被災に対して、当然、重要構造物の耐震設計が見直され、様々な指標が改定されてきました。1995年の兵庫県南部地震が一つの契機であったでしょう。また、2004年の新潟中越地震ではトンネル被災が注目されました。さらに、2011年の東北地方太平洋沖地震。その都度、重要構造物に関わって、中央防災会議や国土交通省の建設基準が見直され、手直しされてきました。

 要は大震災を機に行われてきた建設基準見直しが、具体的に当該の高速道路建設計画にどのように反映されてきたのかが、全く明らかではないのです。反映して改訂してきた結果を出すようにと求めても、改訂された一般的基準の説明に終始し、当該建設計画における反映内容が出てきません。しかも、首都圏直下地震でどの程度の震度と加速度を推定しているのかさえ出てこないのには、正直驚きました。
 まだやっていないことは明らかです。「設計施工内容を説明する際には出します」って、これがない状態で住民に「安全」です、っていうその進め方って、ちょっと驚きました。 計画地域は全域、震度6弱から6強が襲う可能性があります。その震度のもとでは、加速度は1000ガルに達することも想定されます。いくらで設計するのでしょうか。

 工事費の大幅な増大。それでも、費用対効果、あるのか?
   最後に口述された岩倉正剛さんは、その口述の中で、私が指摘した設計のやり直しを含めて、工事費用の再見積が必要と指摘されました。

 当初の想定震度より、新たな想定震度が大きくなれば、工事費も大きく伸びます。そうした工事費と供用後の維持費など、総費用(現在でも4300億円と言われます)に対して、効果がどうなのか、、もう一度計算するべきでしょう。効果の方を過大に算定し、他方で工事費用を小さく見積もることが多いとしても、再見積は必要です。
 フィンランド・オルキルオト原発3号機の建設を進めているフランス、アレバ社が、厳しい基準に対応するために行う工事費用が、当初予想を大幅に上回るなか、その採算性が問題になっていますが、民間であれば、当然大変な問題です。しかし、日本では問題にならない。東日本高速(NEXCO)はいくらになろうと、その費用は国が税金から出すのですから。真剣さが伺えないのは当然ですかね。

 都市近郊の農と里山を守る宣言

  この日は私のほか10件の口述。いずれも長い年月の運動を反映して、びっくりするほど、鋭く、内容の豊かな口述でした。勿論、何らかの形で記録が保存されるべきですね。勿論、すべてが反対の立場での口述だけではありません。賛成論を述べる方もおられます。しかし、それらの口述は高速道に対する期待・希望の一般論でしかなく、具体的にこの南線でどういう事態・効果が予測されるのか、と言う点で不十分です。

 その中で特に私が感銘を受けた一つの「宣言」を紹介します。2003年に開催した「田谷の農業と里山を考えるシンポジウム」で採択されたものだそうです。都市近郊で農に従事し、里山を守ってこられた方々の思いが伝わりました。口述された田谷の加藤さんの許可を頂き、以下、転記します。


                            宣言

 私達は本日、「田谷の農業と里山を考えるシンポジウム」を開催しました。そして田谷の地が、豊かな大地や環境に恵まれて、多くの農産物を生産していることを改めて認識しました。
 思い起こせば、ここ田谷の地は,東海道線敷設計画、浄水場計画など農地や里山にしばしば開発の手がのびましたが、いずれも受け付けず、耕地整理、農業専用地区、農業構造改善事業等の実施へと向かい、土地への愛着と生産にかける強い意欲を示してきました。 
私達は、こうした先人達の足跡を大事に、都市近郊に残された四季折々に変化する豊かな自然と農地を大切にし、守り育てることを誓います。
 一方、後継者が安心して農業に従事し、子や孫達に引き継げるよう努力しているにもかかわらず、これを一方的に壊そうとする高速道路計画には、生活をかけて反対し、田、畑、山川草木に至る一切の破壊を認めません。
今後とも、私達は農業や豊かな環境をもとにした街づくりが全国各地に広がることを願い、生産者と消費者との連携を図りながら、子々孫々まで豊かな自然を守り、地域社会並びに近郊都市に新鮮で安全な作物の供給を続けることを宣言します。
                                            2003年(平成15年)4月27日
                                                参加者一同

  
プロフィール

立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。