2030年のエネルギーミックスの意味するもの

2030年のエネルギー政府案をリアルに語ろう

 7月25日からの自治体学校in金沢 での分科会で私が報告する要旨を先のブログに掲げました.
 その中でも,特に,政府がめざす2030年のエネルギーミックス案が示す,原発への依存体制は非常に問題です.
それはこの政府案は,今申請され,審査されている14原発,23基だけでなく,廃炉が決定された11基をのぞくすべての原発43基を動かし,あまつさえ,40年規制を取っ払い,半分は60年動かす.それでも足りないので,原発を新設・リプレースするというものです.
 私たちはこの政府案の中身をリアルに把握した運動を進めなければならないと思います.ここに関連する部分だけ,再掲します.


 この4月に,経産省資源エネルギー庁は2030年時点でのエネルギーミックス案を提示しました.
  energy mix

 このエネルギーミックス案では,17%の省エネを見込んで,2030年の総発電電力量は10,650億kwh/年としています.
 その20%~22%を原子力でまかなうとすると,2030年時点で原発による発電電力量は約2130~2343億kwh/年となります.その電力を生み出す原発の設備容量は,稼働率70%と見込むみますと,3474~3821万kwが必要となります.
 福島原発事故後,廃炉が決まったのは,福島第1原発の6基と,原子炉等規制法(炉規法)の「改正」で原則40年とされた運転期間の関係で,日本原電の敦賀1号,関西電力の美浜1・2号,中国電力の島根1号,九州電力の玄海1号の計5基です.したがって現在の日本における原発の設備容量は43基の4363.5万kwとなります.その内,炉規法40年 の原則を当てはめれば,2030年には18基,1918万kwとなります.必要とする設備容量の55%しかないのです.

エネルギーミックス

 申請中の23基,建設中の2基,すべて稼働,そして,半分は60年運転へ

 どうすれば,原発で20%の電力をまかなえるでしょうか.
 現在申請中の23基の原発の再稼働に加えて,1)事故前には60%前後だった稼働率を80%に高める.2)すでに設置許可が下りている電源開発の大間原発,中国電力の島根原発を稼働させる,3)43基の半分は炉規法で1回だけ認められている60年へ稼働年数を延長させる.これが政府方針です.
 これらの方策の実現はいずれも簡単ではありません.政府や電力事業者による,原発のリプレースや新設が必要だとする動きが強まることが想定されます.柏崎刈羽原発で言えば,8年前の2007年に発生した中越沖地震で被災し,今なお,設備の点検.確認が終えていない2~4号機も動かすというのです.
 2013年7月の新規制基準公布を受け,電力事業者は全国14原発23基の原発再稼働を申請しています.規制委員会は,昨日の愛媛県伊方原発に続いて,さらに次々と「基準に適合している」という判断を下すでしょう.ふたたび,「安全神話」が復活し,稼働ラッシュを起こそうというのが政府のもくろみです.

 私たちは,電力事業者,政府の策動に対して,粘り強く,原発ゼロを求めて,運動を広げましょう.
スポンサーサイト
プロフィール

立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR