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佐田岬半島のネオテクトニクス 予察

愛媛県伊方原発の耐震安全性
 佐田岬半島のネオテクトニクス 予察 報告

 年開けて早々,1月11日と12日,伊方原発を止める会の和田事務局次長の案内で,伊方原発周辺の段丘を見て回った.簡単に報告する.

 四国西部にあって,奇妙な形で海に突き出した細長い半島,佐田岬半島,その付け根に近い部分に伊方原発がある(図1).
 佐田岬半島と中央構造線
  図1  伊予灘から佐賀関にかけての活断層としての中央構造線と佐田岬半島(七山ほか,2002 に加筆)

 この佐田岬半島の沖合数kmから10kmのところを半島にほぼ並行に,日本でも最大級の活断層,中央構造線が走る.この中央構造線,およそ1億年前に活動を始め,現在も活動する.ちなみに,日本列島を横断する活断層,糸魚川ー静岡構造線はたかだか,2000万年の活動履歴である.問題は佐田岬半島がどのようにして隆起して現在のような奇妙な形をなしているのか,である.中央構造線の活動と関わっていることは容易に想像されるが,具体的な活動像は残念ながらまだ,分からない.四国電力も、原子力規制委員会も全く口をつぐんでいる.これは,どこの原発も同じ構図である.原発立地地域はどこもここ12~13万年の間に10数mから20m,隆起してきたが,その隆起がなぜ,どのように起こったかは不問に付している.こうした地球の歴史上ごく最近の地殻変動はネオテクトニクスと呼ばれている.

 四電の段丘分布図

 伊方原発の耐震安全性に関わって,この佐田岬半島が形成されてきたごく最近の地殻変動(ネオテクトニクス)の解明は必須の課題である.そうした視点から,佐田岬半島における12~13万年前以降の運動像を少しでも明らかにするために,半島における段丘の分布とその高度(図2)を予察した.図2は四国電力の伊方原発設置変更許可申請書の添付書類六の一部補正などで用いられている図である
四電段丘分布高度
  図2  佐田岬半島の段丘分布高度(四国電力,2015)

 この最も下位の段丘(M段丘)は,中位段丘と呼ばれるもので,この地域ではいずれも海成段丘とされる.海成の中位段丘であれば,およそ,12~13万年前の温暖期,海面が現在とほぼ同じ時期に堆積した地層ということになり、日本列島各地の沿岸地域の広く発達する.これが以下原発以西では高度にして20数mから30mに分布することを示している.それより高く位置するH3段丘は,さらにさかのぼって20数万年前の温暖期に堆積した地層である.従って,この半島は20数万年来,隆起を続けてきたことが見て取れる.

  問題は伊方原発より東方ではなぜ,中位段丘(M段丘)が無いのか.ということである.本来,中位段丘は最も良く発達する段丘で,高位段丘が浸食されずに残っている地点(佐田岬先端から50数kmや60km地点)でのH3段丘はM段丘の可能性がないのか
,ということについて調べることにした.なお,高位段丘堆積物は12~13万年前の温暖期に地表にさらされ、赤色土壌化しているのが普通であり,四電の報告でもそのように記述されている.しかし,ここの地点の記述はなされていない.

 伊方町亀浦の段丘

 原発周辺段丘
 図3 伊方原発周辺の段丘分布

  伊方原発の西方並びに東方に中位段丘(M段丘)が分布する(図2・3).西方の大成は昨年松山を訪れた際に案内して頂いている.今回,東の亀浦地内で段丘を確認した.
 DSCF2089.jpg
  図4 遠く,伊方原発が望める地に発達する中位段丘.図2・3に示されるH3段丘は確認できない.

長浜町(旧保内町)磯崎の平坦面

  四電の報告では段丘が分布しないとされるこの地では,段丘の可能性のある数段の平坦面が認められる.
DSCF2055.jpg 
  図5 磯崎のお寺,35mという標高が示されているが,このお寺の敷地は地盤がならされている可能性もある.イル
DSCF2057.jpg
  図6 お寺とほぼ同じ高さに広がる平坦面.バイパスが走る.

  なお,このお寺の東の山腹は地すべりを起こし,集落の住民は近くに団地を作って移転を余儀なくされているとのことである.
  住民の話では,地すべり防止対策で掘削したボーリングでは,硬い岩盤の上に軟らかい泥層があったとのことで,これが段丘堆積物の可能性もある.確認が必要であろう.

  時間的にも限られていたので,今回は大まかな予察に過ぎない.引き続き,段丘堆積物の確認を主とした調査に取り組みたいと思う.

  阿蘇火山灰の産状

  中位段丘堆積物を覆って,Aso-4火山灰が認められている(図2).記述によれば,特徴的な火山ガラスや褐色角閃石の結晶などが段丘堆積物が離水した後に堆積する風成堆積物中に混在しているとのことである.Aso-4火山灰は遠く,北海道東部でも厚さ10cm以上で保存されている火山灰である.四国西部でも厚く降灰したことが想定される.降灰後,流水で運び去られて,浸食され、ほとんど残っていない可能性もあるが,阿蘇が本格的に活動した際には,再び,大量の火山灰で覆われる可能性は否定できないであろう.
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立石雅昭

Author:立石雅昭
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 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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