柏崎刈羽原発差し止め訴訟弁護団現地見学

 柏崎刈羽原発の差し止め訴訟で奮闘されている弁護団の方々と現地見学会。活断層とはどういうものか、東京電力はどのように解釈しているかなど、この間重ねてきた地盤の問題に関する具体的なイメージを持っていただくために、地学団体研究会の先生方と一緒に活断層を中心に見学しました。
 長さ80kmと言われる新潟市から小千谷市にかけて走る長岡平野西縁断層の南端に近い片貝断層群は現在も活発に活動する活構造帯に発達する活断層です。

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  上の活断層露頭の解釈を赤線で入れたのが下の図。

片貝断層1

  右下の赤い線は下位の魚沼層群の上部(およそ70~80万年前の地層)とそれを不整合で覆うおよそ10万年前の河岸段丘堆積物の境界(不整合面)。その不整合面が、真ん中を上下に走る赤い線で示される断層で、2段ほど左上に引いた不整合面へ、およそ10m以上ずれています。これほど規模の大きなずれを示す活断層も珍しいのです。
 勿論、これだけの断層のずれが一度にできるわけはありません。何度も動いたと思われます。断層運動は10万年前以降ですが、特に6万年前以降に大きく動いたことが細かい検討で分かります。
 又、この露頭には他にも、ずれの量は小さいですが、同じような方向に走る何本かの断層が認められます。こうした数本の断層と、一部では上位の段丘堆積物が平野側に傾いて、とう曲と呼ばれる構造を作り、全体として、100mほどのずれをもたらしているのが片貝断層群です。

 中位段丘の堆積物が大きく傾いて、とう曲をなしている様子は3枚目の露頭でも認められます。段丘堆積物は中礫大の礫層とその上の砂層からなりますが、さらにその上にローム層が重なっています。砂層は40~50度,左に傾いています。段丘堆積物とその上のローム層までがこのように傾く例は、活動的な日本でもそう多く認められるものではありません。 

DSCF0633 (800x600)

 この傾きは、この崖の更に右手にある下位の地層の魚沼層群の盛り上がりに伴ってできたものです。この盛り上がりは、わずかですが、周囲よりも微高地を為しています。
 これらのとう曲は、地表付近では断層として切れてはいなくても、地下には大きなずれを伴う断層が推定されます。新しい時代の地層の傾きには注意が必要です。

 弁護士の先生方も、訴状や準備書面を準備される際に少しでもイメージを持って頂ければと思いますし、地盤担当弁護団の学習会でもより理解が進むのではないでしょうか。


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立石雅昭

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 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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