富来川南岸断層は活断層-たびたび活動して隆起を引き起こしてきた科学的証拠-

  ー志賀原発は直ちに廃炉に-

 2014年3月26日から3日間、日本科学者会議石川支部、原発問題住民運動石川県連絡センター、原発問題能登地域連絡センター、原発を考える石川女性の会の皆さんと石川県志賀原発の敷地北方9kmに位置する富来川南岸断層の活動性を検証することを目的に調査に入りました。

 昨年10月に敷地西海岸のすぐ北の福浦新灯台下に2~3段の海食ノッチが刻まれていることを明らかにしました(写真1:福浦新灯台下のノッチ)が、今回はその継続です。


福浦新灯台1

 2007年に発生した能登半島地震と同様に、北にのし上がるような逆断層の富来川南岸断層が地震を起こし、その度に隆起したとすれば、12~13万年前の中位段丘の段丘崖に刻まれた海食ノッチ(窪み)も、北に向かって高くなるであろうという予測のもとに,海食崖のノッチの高度を敷地の南から富来川まで測定しました。予測は的中、ノッチは明らかに北に向かって高くなっていきました。1箇所で2~3露頭、測定しました。図の赤は高い方のノッチ、青は低いノッチです。場所に寄れば、3段あるいは4段あります
 高度分布まとめ

  このノッチの高度分布から,富来川南岸断層が12~13万年間、継続的に隆起してきたことは明らかです。しかも、低い方の6000年前にできたと思われるノッチも北に向かって高くなっていますから、この北に高くなる運動は6000年前以降も同じ傾向で続いていることも明らかです。


 海食ノッチの高度は何を意味するのか

 海食(あるいは波食)ノッチは海面が今より高いところでしばらく安定していた時、打ち寄せる波でえぐられた窪みです。現在も海面は高い方ですが、海面が今より高い時期は6000年前の縄文時代、そして、その前は12~13万年前です。低い時にできたノッチは、その後海面が上昇すると、削られてしまいます。もし、その土地が動かなければ、同じくらいの海面の高さだった二つの時期のノッチは重なりますが、もし、その土地が継続的に隆起していれば、12~13万年前のものはより高いところに、6000年前のものは低い所にある事になります。縄文時代の海面の高さはおおよそ今より2~3mほど高かったので、低いノッチがその位の位置にあれば、地殻変動があったと言えませんが、もしそれが5mくらいにあれば、2m~3m隆起したと言えます。高い方のノッチは12~13万年前に作られたものですが、それが10mの位置にあれば、12~13万年の間に7~8m、隆起したと考える事になります。

 いくつかの地点のノッチを写真で紹介します。南の志賀町小浦(おうら)から、北へ赤住、福浦港、巌門、そして、最も北の富来港です。

小浦1 小浦、ここも2段有りますが、低いですね。

赤住1 赤住港、1段だけです。

 福浦新灯台  福浦新灯台の下です。どう見ても3段有りますね。

福良港3 福良港ですが、随分高いのがあります。
福浦港4 上の露頭のすぐ西なのですが、この高さの差は、間に活断層の存在を考えざるをえないのですが、断層はいずれも古そうに見えるのです。どう解釈すべきでしょうか。

巌門2 巌門2です。
巌門3 巌門3です。ここもどう見ても3段有ります。

富来港1  最も北の富来港ですが、随分高くなりました。しかも、何段もありそうです。

この富来港の海岸から道路はさんでトンネルの上、これが更に問題。富来港トンネル上
 どう見てもノッチに見える。2段。それが25mくらいの高さにあるのです。


 何段もあるノッチや縦長のノッチって何だろう?

  この海岸部のノッチには、いくつかの不思議な現象もあります。
  普通海食ノッチは、その窪みの奥行きよりも幅が大きいものをよびます。しかし、この海岸では福浦港のもののように、縦長、というか、縦に細長く窪んでいるのがしばしば見られます。これは海面が安定せず、崖がどんどん隆起して形成された窪みと考えられないでしょうか。何段もみられるのも同じように、隆起の激しいところのノッチの特徴なのではないか,と思うのですが、如何でしょうか。

 
 地震性隆起の波食棚

 福浦港などこの岩石海岸には各地で広い波食棚が発達しています。当然、地震に伴って隆起した海岸です。

福浦港波食台

  まだまだ分からない事もあるのですが、とりあえず、今回の調査の成果に基づいて、4月には北陸電力や規制委に,厳密な調査を申し入れることにしています。




スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

質問

北電の株主総会に向け、志賀原発廃炉をめざし勉強と思ってある資料をダウンロードしました。「片川・ほかは北陸電力によって昭和60年・61年に実施された能登半島西方海域での・・・云々」とあって、F1~F18があって,F8~F10は活断層の定義には合致しない。。。と記されています。質問はこの定義とはどういうもので、先生はそれをどうお考えなのか、またその根拠は、ということです。
プロフィール

立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR