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原発問題住民運動石川県連絡センターなど北陸電力と規制委へ申し入れ

 4月14日、日本科学者会議石川支部や原発問題住民運動石川県連絡センターなど、志賀原発の地元4団体とともに、北陸電力と規制事務所に対して、志賀原発北9kmに位置する富来川南岸断層の厳正な調査を求める要請を行いました。

 申し入れは,3月の末に科学者会議や住民団体の方々とともに調査した原発敷地西から北にかけての海岸の波食ノッチの高度分布が、富来川南岸断層の活動性、とりわけ、6000年前以降の複数回の活動を明瞭に示したことに基づくものです。この波食ノッチの高度分布の調査結果は既にこのブログでも紹介しました.

 
 巌門3  志賀町巌門にみられるは食ノッチ


 次に規制委への申し入れをコピーします。



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                                 2014年4月14日
原子力規制委員会
委員長 田中 俊一 様
                        日本科学者会議石川支部
                        原発問題住民運動石川県連絡センター
                        原発問題住民運動能登地域連絡センター
                        原発を考える石川女性の会


志賀原発周辺の海岸に分布する海食ノッチに関する調査結果と
原子力規制委の対応に関する要望


 志賀原発の北約9kmに位置する富来川南岸断層は、活動すれば原発に重大な影響を与えると考えられます。
 日本科学者会議石川支部、原発問題住民運動石川県連絡センター、原発問題住民運動能登地域連絡センター、原発を考える石川女性の会(以下、「4団体」という)は2012年春以来、富来川の北岸と南岸の海成中位段丘において調査・解析を行い、富来川南岸断層の存在と更新世後期における活動性を裏付ける調査結果を得ました。この結果はすでに原子力規制委員会に、2回にわたって報告しています。
 志賀原発の北8kmの富来港から同原発の南4kmの志賀町小浦にいたる岩石海岸には、志賀原発敷地西方の海岸と同じく、波食棚(台)※1が見られます。福浦新燈台、福浦港の北方、巌門の岩石海岸には広い波食棚(台)が発達し、その陸側に海食崖※2が見られ、波食棚(台)にはたくさんの断層が走っています。
 4団体は、2013年10月に福浦新燈台下の海岸で海食ノッチ※3などの調査を行ったのに続き、2014年3月26~28日に、北から富来港、巌門、福浦港の北方、赤住港、小浦において海食ノッチの調査を行いました。

  ※1波食棚(台):主に潮間帯(満潮線と干潮線の間の地帯で、1日のうちに陸上になったり海中になったりする部分)にある平坦な台地で、崖の基部である高潮面から低潮面以下にわずかに傾斜しながら広がっています。
  ※2海食崖:海に面した山地や大地で、おもに波による侵食を 受けてできた崖をいいます。山地が沈降(あるいは海面が上昇)して急斜面が沈水すると、その斜面は波による侵食を受けるために、崖の下部に海食ノッチ※3ができます。下部がくぼむとやがて上部は崩れ落ち、これが繰り返されることで崖は後退していきます。
  ※3海食ノッチ:海食窪ともいい、波食作用や海水の溶解作用によって海食崖の下部にできる微地形で、奥行きより幅が大きいくぼみのことをいいます。なお、幅より奥行きが大きいくぼみは、海食洞といいます。

 2007年3月25日に発生した能登半島地震(マグニチュード6.9)を起こしたのは、北にのし上がる逆断層の運動でした。志賀原発の北約9kmにある富来川南岸断層も、逆断層と考えられます。この断層も能登半島地震と同じく、北にのし上がることによって地震を繰り返し起こし、そのたびに富来川南岸断層の南側が隆起していったと考えられます。そうであるならば、志賀原発をはさむ十数kmの海岸線にそって分布する海成中位段丘の海食崖に刻まれた海食ノッチも、南から北に向かって高くなることが予測されます。
今回の調査は、この仮説の証明を目的として、志賀原発をはさんで富来港から小浦までの12kmにわたる岩石海岸の海食ノッチについて、2013年10月に調査した福浦新燈台下の海岸とあわせて、合計6カ所で海食ノッチの高度を測量しました。
 調査の結果は、『北陸電力・志賀原子力発電所の周辺海岸に分布する海食ノッチの調査結果【速報】』に記載している通り、高位のノッチも低位のノッチも、南から北に向かって高度を上げていることを明確に示しました。高位のノッチは、その傾向をいっそう強く示しています。
 第四紀といわれる現在から約250万年前までのうち、氷期と呼ばれる特に氷河が発達した時期には、海面が世界中で下がったことが知られています。約2万年前の氷河最拡大期には、海面が120mほど下がっていました。一方、氷期が終わると海面が上昇してきます。約6000年前の縄文海進最盛期には、海面は現在よりも2~3mほど高くなり、約12~13万年前の最終間氷期最盛期も高かったことが知られています。
 富来港から小浦にいたる十数kmの岩石海岸の各地で、2段の海食ノッチが認められることは重要な意味を持っています。低い方の海食ノッチだけの1段しか存在していないと、約6000年前の海面がこの高さにあって、その後の隆起を考えなくてもよいと解釈することができます。しかし、高い方の海食ノッチがあれば、12~13万年以降の度重なる地震に伴う隆起を考えなければ説明できません。12~13万年前の海面は、約6000年前の海面とほぼ同じであったため、隆起がなかったら2段の海食ノッチが形成されることはないからです。
志賀原発をはさむ十数kmの海岸線にそって分布する海食ノッチの高度分布から,富来川南岸断層が12~13万年間、継続的に隆起してきたことは明らかです。約6000年前の縄文海進期にできたと思われる低位の海食ノッチも、高位のノッチと同様に北に向かって高くなっており、継続した隆起運動が約6000年前以降も同じように続いていることも示しています。
 4団体は、富来川の北岸と南岸で海成砂層の調査・解析を行うことによってM1面の高度変化を解析し、富来川南岸断層の存在と更新世後期における活動性を裏付ける調査結果を得ました。今回の調査結果は、富来川南岸断層の存在と活動が動かしがたいものであることを示しています。志賀原発敷地直下だけでなく、周辺の活断層群の徹底した調査を早急に行うべきです。
 原子力規制委員会が2014年3月24日に行った志賀原発の活断層問題に関する評価会合でも、「2007年能登半島地震をはじめ、1892年にはかなり近くで地震が起こっている。兜岩沖断層、碁盤島沖断層の活動性の評価、ずれがどうなっているかの評価が重要だ。大きな目で見た時、どのくらいの規模の地震が起こり得るかを考える上で、近傍の断層について検討する必要がある」(藤本委員)、「富来川南岸断層、酒見断層などについても、検討したデータがあれば、提示してもらいたい。敷地内断層と周辺の断層の関連性はどうなのか」(廣内委員)との指摘が出されています。
 上記のことをふまえて、以下のことを貴職に要望します。誠意ある対応を求めます。

               記

1, 4団体の「石川県・富来川南岸断層、福浦断層、志賀原発敷地周辺の断層群に関する調査報告」「北陸電力・志賀原子力発電所の周辺海岸に分布する海食ノッチの調査結果【速報】」をふまえて、原子力規制委員会として、富来川南岸断層について科学的で国民の納得が得られる調査を行うこと。北陸電力にも信頼に足る調査を実施させ、公表させること。

2, 原発の新しい安全基準の作成をふまえたバックフィットにあたって、富来川南岸断層、福浦断層の活動もふまえて志賀原発の基準地震動を再検討すること。

3, 4団体の「石川県・富来川南岸断層、福浦断層、志賀原発敷地周辺の断層群に関する調査報告」、「北陸電力・志賀原子力発電所の周辺海岸に分布する海食ノッチの調査結果【速報】」に関して、原子力規制委員会としての説明聴取と、更新世後期における活動性を裏付ける調査結果を得た露頭などの現地見学を行うこと。また、これらの露頭などについて、北陸電力も同席のもとで検討会を行うこと。

以上
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立石雅昭

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 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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