被災地石巻と女川原発見学旅行

 宮城県被災地石巻と女川原発の見学ツアー

 9月7日、宮城県松島町での「原発再稼働の暴走を許さない全国交流集会 in 宮城」に先だって、6日午後、東北地方太平洋沖地震・津波の被災地である石巻と女川町の見学ツアーに参加した。
 案内頂いたのは菊池英行高教組元委員長と髙野博女川町議。石巻湾に沿って石巻港から万石浦へ、そこから牡鹿半島女川原発へのコース。時間が十分取れず、駆け足の見学で若干物足りなかったですね。おそらく、案内される側もこれでは伝えきれないとの思いを抱きながらってところでしょう。やはり少なくとも丸1日は必要でしょうね。

  いくつかご紹介します。

石巻市立門脇小学校
門脇小学校
  
 まず、石巻市立門脇小学校。解体するか、保存するか、まだ決まっていないとのことですが、シートで覆われています。 被災直後の写真はいろいろ出されています。興味のある方はwebで検索してみてください。
 写真の左手に背後の日和山への階段があります。児童224人と教職員21人は日頃の避難訓練通り、無事避難。下校していた7名の児童が亡くなったとのことです。この小学校は避難者がグランドに止めていた車から出火、次々と燃え広がって、校舎も火焰に包まれたそうです。標高56mの日和山、完全に島になって数日間閉じ込められました。がれきはすべて撤去され、校舎前のグランドは私立女子商や女子高の仮グランドとして使用しているようです。そのために目隠しシートをしているのですね。

門脇小交差点前

  門脇小学校前の交差点です。遠方に橋が見えますが、これは旧北上川に架かる橋です。この道の左右は住宅街だったそうですが、ほぼすべてが流失。広大な原野になっています。

  さて、問題はこの写真。
日本製紙

  同じく、門脇小学校の前の空き地と道路です。左手奥に見える煙突群は日本製紙石巻工場です。そこから伸びてくる道路と宅地のために造成する高さが示されています。最初、意味が分かりませんでしたが、この高さまで盛り土するってことですね。この地域は6.7mまで浸水。道路計画の高さでさえ、それには足らない。写真の左が海側で、広大な原野になっているところ。こちらは放置して、道路の北側(右側)だけ宅地にすると言うことなのか。写真右奥には集落があるがここはどうするのだろうか、全体像を見なければ分からないが、ちょっとこの造成は無謀な気もする。

  日本製紙石巻工場、年間100万との紙を製造する基幹工場。震災当日は1300人が働いておられたが、全員無事。非番の方、約130人が亡くなられたとのこと。しばらく操業停止を余儀なくされていたが、現地での工場再開を決断、2011年の9月から順次稼働してきたとのこと。石巻復興にとってもこうした大手企業のがんばりは、下請け、関連企業への影響も含めて、大きな力になる。

 東北電力女川原子力発電所
女川原発

 牡鹿半島の太平洋側に立地する女川原子力発電所3基。震災時、まさに危機一髪。3月11日の本震だけでなく、4月7日の余震でも設計値を越える地震動を観測したのです。特に鉛直地震動が、基準地震動にもとづく設計値の1.5倍に達する地震動を観測した階もあるのです。5系統の外部電源も、本震・余震とも、5系統のうちの、1系統だけが生きていた。その上、あと1m、津波の水位が高ければ、ここもまたすべての電源が喪失していたのですから。
 ところで、この原発が過酷事故に至らなかった要因として、住民運動団体が長年にわたって津波対策を申し入れ、東北電力がそれを受け入れて、港湾内を10.5m浚渫していたことは重大です。住民の運動が女川原発のシビアアクシデントを未然に防いだともいえます。

 福島原発の事故の要因もまだ解明されていないうえ、現在の科学では予測しきれない火山や地震災害、テロに対する対策が取り切れない原発を再稼働させるなど、許されるものではありません。原子力規制委員会は明日にも鹿児島県の川内原発が規制基準に適合しているとの判断を示すとされていますが、再稼働を許さないためにさらに運動を強めたいものです。
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立石雅昭

Author:立石雅昭
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 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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