横浜環状道路南線(横環南)に関する公聴会に向けて

地震・液状化への備えの不十分な横環南

 横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会(連協)http://renkyoueditor.web.fc2.com/ からの依頼を受けて、来月下旬開催される公聴会に向けて、急遽、口述申出書の原案を作成しました。

横環南って?

  ごく簡単な歴史:
 ・昭和40~50年代: 栄区南部で、大規模な宅地開発。横浜市は横浜小田原線高速道路用地を確保。道路用地内に、 「この用地は都市計画道路(幹線街路)予定地です」と看板。 自動車専用高速道路の計画ではなく、一般街路用として宅地販売。
 ・昭和62年: この予定地は、第四次国土総合開発計画において、圏央道 (高速横浜環状道路)と姿を変え整備路線に組み入れられた。 これが8月に新聞により報道され、住民は一夜にして高速道路となった事に驚愕。
 ・昭和63年9月:   沿線住民からなる 「横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会」   (連協)発足。 

国土交通省「よこかんみなみ」ホームページ http://www.yokokan-minami.com/site/

 計画図 

計画概要
 ・名称     :高速横浜環状道路南線
 ・起点     :金沢区釜利谷町~終点:戸塚区汲沢町
 ・延長     :約8.9㎞
 ・車線数    :6車線
 ・計画交通量:(平成17年3月事業評価監視委員会資料)
             47,000台/日 ~ 54,900台/日
 ・事業費   :4,300億円(H17.3事業評価監視委員会)。
           昭和63年の計画時点では、2,000億円と公表。
  ・一部区間に公田インターチェンジへのアクセス道路として、都市計画道路である上郷公田線(4車 線、計画交通量12,000台/日)が併設。

 要するに、当初、一般道として、計画され、周辺が市街地として宅地開発の上、大々的に売り出された後、突然、高速道へと格上げされたってことですね。
 
 断面図
 工事計画としてはその路線のほとんどがトンネル、一部高架橋となっています。

完成予想図

  この完成予想図と見ればよく分かりますが、山あり、谷ありの自然豊かな地を切り拓いて造られた新興住宅地です。ここに何万台という車を集中させようというのですから、工事中はもとより、できあがってからも,周辺の環境への影響は非常に大きいと言えますね。地形的特性から、排気ガスの滞留、地下水脈の分断、オオタカを頂点とする生態系の破壊が危惧されます。
 終の棲家として選んできたところの住環境が破壊される、って、当然住民の怒りを呼びます。自治会や町会、地域の守る会などで対策連絡協議会がつくられ,25年以上にわたって,粘り強い運動が続いています。

こうした流れを見ていると、日本における公共事業というものの本質的問題に突き当たります。
 これらの工事が、如何に住民や国民の思いや願いとかけ離れ、時代の要請にあわなくなっても取りやめること無く、それにむらがるゼネコン体質、官僚体質,このままではほんと、日本は見せかけの豊かさに踊らされ、劣化していくって思いますね。 

以下、私の方で急遽作成し,連協事務局に送った口述申出書原案です。
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意見: 平成24年11月26日に開催された国交省事業評価監視委員会(平成24年度第5回)における一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(金沢-戸塚)(横浜環状南線)に関する評価は、きわめて不十分です。地震調査研究推進本部の長期評価や、文部科学省の地震による被災軽減に関する最新の研究、さらには東北日本大震災の経験と教訓を踏まえた検討がなされていません。特に、上記監視委員会では地震動ならびに液状化予測に関して、最新の解析手法で得られた想定結果に沿った検討が行われたとは言い難く、また、近年相次いで発生した地震による重要構造物の被災の教訓についても何ら議論されていません。
 本口述においては、地質科学を専門とする立場から、具体的に、1.重要構造物を建造するに当たって求められる地震動予測への基本的対応、2.液状化対策の不備、3.重要構造物の基礎地盤の破壊の可能性について意見を述べさせて頂きます。

 関わって、企業者ならびに国土交通省事業評価監視委員会に対して、以下の質問をいたします。
1. 長期にわたる建設工事期間にあって、地震や液状化に対する科学的知見やそれに応じた防災計画など、公的機関から種々最新の情報が発信されます。こうした最新の情報に応じた、計画道路の安全性の確保・充実はどのような視点で再検討が行われ、生かされていくのか、明らかにしてください。
2. 本事業の地震対策は、中央防災会議や神奈川県防災会議による地震防災のあり方に関す
る基本的視点と相容れないと考えますが、どのようにお考えですか。
3. 神奈川県地震被害想定調査報告書では、液状化危険度が低いとされる地域でも、特に重要構造物については詳細な調査が必要とされています。国土交通省事業評価監視委員会における審議を見ると、液状化による影響評価は庄戸地区の盛り土に関する意見聴取で済ませていますが、計画路線全体に沿って行われるべきです。全線に渡る液状化による影響評価に必要性についてのお考えを聞かせてください。
4. 兵庫県南部地震で高速道路が倒壊したり、鉄道高架橋が落下したりする被害が発生しました。また、中越地震では従来比較的安全だとされてきた「山岳トンネル」の安全性に関して疑問を投げかける事象も発生しました。本道路建設工事計画において、これらの災害の教訓をどのように生かされているのか、お聞かせください。
 
 
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立石雅昭

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 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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