スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

柏崎刈羽原発東電の敷地周辺地質調査について(1)

柏崎刈羽原発、東電の敷地周辺地質調査について(1)

 原子力規制委員会の審査会合での指示を踏まえ、東京電力は、再稼働に向け、敷地並びに敷地周辺の地質調査を昨年3月以来続けてきた。全体の調査結果の報告にはまだしばらく時間がかかるであろうが、その報告の一部がすでに規制庁の審査ヒアリングで行われている。
 その報告の一部である、敷地東方の長峰背斜と高町背斜の活動性を検証する調査報告は、余りに恣意的であり、地質科学的に見て到底納得のいく解釈ではないので、柏崎刈羽原発活断層研究グループとして、規制委員会に厳正に審査するよう申し入れたい。

 問題になる、調査報告の一部。
 敷地の東方、西山丘陵と柏崎平野との境界に平行して背斜構造があり、その構造がいつ頃成長したものかが問われている。成長運動が現在まで続いているとすると、断層関連褶曲として,その断層活動も活断層の可能性が考えられるとして、詳細な報告が求められたものであろう。
  調査の一部は図に示す刈羽村五日市の丘陵で行われた。赤い実線は反射法地震探査測線で、赤丸はボーリング地点。
位置図 

ここが問題にされた理由の一つが、2007年の中越沖地震によって原発が被災したあと、周辺の地質も改めて調査した際に得られた下記の地震探査結果とその解釈断面に認められた断層。勿論、東電は,この断層は前期更新世の堆積物である灰爪層の下部は切っているが、若い上位の地層は切っていないので活断層ではないとしていた。
旧探査断面
  2007年中越沖地震後の反射法地震探査断面
旧解釈断面
  上の探査断面に対する,東電の層序解釈断面

 ただし、この時の探査は丘陵の南に沿って走る道路と田んぼの縁に沿って行われた。今回(昨年)は、丘陵上で行われている。その反射法地震探査断面と解釈断面は次のようなものである。
 新探査断面
  2014年に丘陵上で行われた反射法地震探査断面
新解釈断面
  丘陵上で行われた地震探査結果とボーリング掘削試料の解析結果を統合して得られた丘陵地下地質に関する解釈

 ボーリング結果を軸にして描いた地下地質断面は下図のようにされた。層序断面

 旧測線と新測線はたかだか150m~200mしか離れていない。勿論、断層が同じ規模で続くとは言えない。しかし、旧探査断面で見られる100m以上に達する落差を持つ断層が、200m離れると無くなり、奇妙な不整合?になっているという解釈。これはちょっとあり得ない地質構造だと思うのだが、いかがだろう。探査断面からは断層を読み取るのが至極当然に見えるのだが。東電は三次元的な解釈を示して説明するべきだろう。

 また、旧解釈断面と比べると、丘陵部にだけ、新しい時代の地層がたまっている。本来、丘陵を構成する地層が広く堆積し、氷河時代に海面が低下したときに川によって大きく削られ、その後、後氷期になって海面が上昇するにつれ、その谷を沖積層が埋める。それが平野。そうすると、古い解釈断面が違うのか、なんだか、東電の解釈は地層の形成とか、地質構造形成過程とかを無視して、無理矢理、断層を消そうとしているとしか見えないのだが。

 いずれにしても、早急に規制委への厳正な審査の申し入れ書原案を作成し、活断層研究グループの会合で検討してもらおう。2月から3月にはまた次の成果報告が出てくるだろうから。
 

 






スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。