四国電力,伊方原発の立地地盤は活構造地域


四国電力の伊方原子力発電所は,佐田岬半島の根元に立地します.
衛星写真
佐田岬は奇妙な形をしています.どうしてこのような地形ができたのでしょうね.
衛星写真には伊方原発が見えますが,ここで事故が起こり,放射能が放出されると,半島の西の方たち(5千人の人口とお聞きしました)はどう避難するのでしょうか.海路しかないのではないでしょうか.

この佐田岬は12~13万年以降,30mも隆起しています.
少し詳しくみると,伊方原発の立地する場には段丘がありませんが,約3km西の伊方町大成からさらに西,佐渡岬の先端にかけて,中位段丘と呼ばれるおよそ12~13万年の海で堆積した地層からなる段丘が、標高25m~30mの高度で分布しています.以下の図は四国電力が平成21年に,当時の安全保安院のワーキンググループに示したデータ(WG3第16-2-5号)に記述された資料です.

段丘高度

この図の縦軸は標高.横軸は距離です.図のM段丘が中位段丘.より高いところにこれも東西に描かれているのは高位段丘で,20数万年前から30万年前頃の堆積物です.
下の写真は深い霧の中でしたが,昨日,地元の方に案内していただいて見てきた,伊方町大成の段丘の遠望です.
DSC_0158.jpg
 さほど大きな平坦面ではありませんが,明らかに段丘地形です.手前の小屋の脇の電柱の少し上の中腹に家屋が見えていますが,この家屋の建つ面が段丘面です.ここではおよそ30mの高さにあります.

 先に挙げた四国電力の報告の中にこの港の遠景写真があったのを頼りに,急遽,案内していただいたものです.

 12~13万年前,地球は今よりも暖かく,海面も今より少し高かったとされています.しかし,高いと言っても、今の海面よりは5mほどです.その海の堆積物が今,高さにして,30mの位置しているのですから,12~13万年の間にそれだけ隆起したことになります.
 その隆起運動が地震に伴う隆起であるのかどうか、その重要な手がかりの一つは,海岸の崖の下に広がる,隆起海食棚ですが,佐田岬半島では,海に面したこうした崖の下に,隆起した海食棚が見られません.しかし,隆起したことは事実です.

 原発立地地域の地形形成過程を無視する電力事業者と規制委員会

四国電力はもとより,その耐震安全性にお墨付きを与えた原子力規制委員会も,この半島が12~13万年の間に,どのようにして,隆起してきたという事実を全く説明していません.
  2006年に改訂された原子力発電所(軽水炉)の耐震設計審査指針では,立地地域の変動地形学的著巣あを含めて,周辺の地形形成過程を明らかにすることを求めています.しかし,この要求項目に関わり,原発立地地域の地形形成仮定を説明している原発はありません.
 原発が立地する地盤はその多くが標高20~30mの段丘面上,あるいはそれを削ってより低く平にならした地盤に建てています.ほぼすべての原発が,この12~13万年の間に20mから30m近く隆起してきたこと過程を明らかにしなければならないはずです.

 伊方原発の耐震安全性の確認を求めます

 伊方原発の耐震安全性を確認したというなら,この半島の隆起とそれをもたらした断層運動に関する審査結果を公開するべきです.

 
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立石雅昭

Author:立石雅昭
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 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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