新潟県の新しいリーダー米山知事とともに

新潟県の新しいリーダー米山知事とともに

  柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を止め、原発ゼロへ

2016年10月16日、新潟県政史上、また新たな1頁が刻まれました。
県政史上初めて、野党系と呼ばれる知事が誕生しました。
共産党・自由党・社民党・新社会党・緑の党と市民連合から構成される「新潟県に新しい知事を誕生させる会」が擁立した米山隆一さんです。米山さんは「福島原発事故の検証なくして、柏崎刈羽原発の再稼働論議はしない」としてきた泉田知事の路線継承を謳い、現状では再稼働に反対する旨訴え、多くの県民の支持を得たのです。NHKの出口調査では、柏崎刈羽原発の再稼働に反対するひとは74%に上りました。
 自民党が圧倒的な県議席を占める中、米山知事がその公約を果たしていくのは容易ではありません。県民の願い・思いを実現するためにも、米山知事とともに力を尽くしましょう。

  この選挙期間中ではありましたが、10月11日、急遽、新潟県の原発の安全管理に関する技術委員会委員の一人として、「原子力行政と知事選」に関わる記者会見をさせていただきました。選挙中と言うこともあり、持って回った言い回しもありますが、ここにその内容を改めて載せておきます。一部のテレビや新聞等でも報道されました。

柏崎刈羽原発 
柏崎刈羽原子力発電所: 420万m2、東京ドーム90個分という広大な敷地に、総出力821万kw、世界でも最大規模を誇る7つの原子炉からなる原発である。2007年の中越沖地震で、世界で初めて地震で被災し、修理・補強を経て、5~7号機、及び1号機は順次再稼働してきたが、2011年3月の東北地方太平洋沖地震で福島第一原発が被災して、柏崎刈羽原発も全号機停止。現在、6・7号機について、規制委員会で規制基準への適合性が審査されている。

新潟県の原子力行政と知事選について
                
     新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会 委員
                  新潟大学名誉教授  立石 雅昭

 16日投票で戦われている新潟県知事選挙において、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題は最も重要な争点の一つです。
 この柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に関して、知事選挙に立候補されている4人の候補者はいずれも反対、もしくは慎重な姿勢を公約に掲げておられます。しかし、その公約や報道されている演説内容を見聞きするなかで、今後の新潟県の原子力行政について、危惧の念が湧いてきました。私は、泉田知事が進めてこられた新潟県の原子力行政のもとで、県技術委員会委員の一人として、不十分ながらも、県民の命と暮らしを守る立場で努力してきたつもりです。その立場で、県知事選に立候補されている方々の原発政策を見るとき、強い疑念を抱かざるを得ません。今日は、主な候補者である米山隆一さんと森民夫さん、お二人の公約に照らして、県の原子力行政のありようについて、思うところを述べさせていただきます。

 まず、原子力発電所への対応の基本は、県民の安全の確保であることは論を待ちません。事故から5年半経ってもなお収束の見通しが着かず、多くの方が避難生活を余儀なくされている福島原発事故を経験した私たちは、何をおいても、住民・国民の安全が最優先されるべきであると考え、そのことを原子力行政上も基本とする、というのは誰もが求めるものです。しかし、このこと自体は、原子力規制委員会による「規制基準に適合している」との判断のもと、原発が再稼働されるに至っている立地県においても、謳われてきたことです。要は、どのようにして、県民の安全を担保するか、その具体的施策が問われているのです。森民夫候補の言う「県民の安全の確保が最優先」という、具体策の無いお題目だけの政策では安全を担保することにはなりません。

 1.東京電力には原子力発電所を扱う資格が欠落している。
柏崎刈羽原子力発電所の安全性を問うに当たって、事業者である東京電力の能力と資質が問われなければなりません。そもそも、県の技術委員会は、2002年に発覚した東京電力のデータねつ造、隠蔽に端を発し、「国の安全審査だけでは県民の安全は担保できない、県でも独自に検討が必要」との意向で、東京電力との協定締結を踏まえ、2003年、泉田知事の前任の平山知事の下で作られました。東京電力はその後、このデータねつ造や隠蔽を再び起こさないために、ということで、再発防止策を打ち出し、2009年にまとめました。
 しかし、ご承知のように、福島原発事故の際に、社長の指示のもと、炉心の溶融=メルトダウンという国民の安全にとって枢要な事象を国民に知せることを恣意的に覆い隠すとともに、炉心溶融の判断基準を記述したマニュアルの存在を5年間にわたって隠蔽してきました。2009年の隠蔽防止策は何らの効果も持たなかったことになります。東京電力の虚偽、隠蔽体質は改まっていないと言わざるをえません。このような事業者に、ひとたび事故を起こせば、県民の安全に破壊的な影響を与える原子力発電所を管理・運営する能力・資格はありません。
東京電力の体質が温存されたままでの柏崎刈羽原発再稼働は容認できません。
東京電力の隠蔽体質が改められ、周辺住民・国民の安全を最優先にする企業に大きく変わったことが確認されて初めて、原子力発電所の再稼働を容認するかどうかの県民議論の俎上にのせることができます。

2.県技術委員会による福島原発事故の検証は不可欠。
2007年の中越沖地震によって柏崎刈羽原発が大きく被災したあと、県技術委員会は、当時の安全保安院の審査とは別に、独自にその安全性を検証するために審査を重ねてきました。不十分ではあったにしても、安全性に関わって何が問題なのかを県民にわかりやすく提示する上でも大きな役割を果たしてきたと思います。
また、福島原発事故のあとは、知事の意向のもと、福島原発事故の検証を粘り強く勧めてきました。今般の東京電力による「炉心溶融=メルトダウン」隠蔽の実態を明らかにしたのは、新潟県の技術委員会における福島原発事故の検証です。県技術委員会による福島原発事故の検証はなお半ばであり、特に、県民・国民の被曝を最小限に低減するための広報や防災の在り方が引き続き検証されなければなりません。
 県技術委員会の経緯と歴史を踏まえ、福島原発事故の検証を引き続き進めるとともに、そこでとりまとめられる教訓を柏崎刈羽原発の管理と運営、そして、住民の防災・避難計画に生かさねばなりません。
「福島原発事故の検証なしに、柏崎刈羽原発の再稼働の議論を始めない」という泉田知事の路線継承を訴える米山隆一候補の提案は安全を担保する具体的提案と言えます。

3.「防災・避難計画の実効性の検証」は原発立地自治体の責務。
原子力規制委員会自身が認めるように、「規制基準」に適合しているからと言って、原発の安全性は万全とは言えません。原発事故は起こりえます。事故の際に県民の命と暮らしを守るために自治体として何をしなければならないか、このことを問うのが、防災・避難計画です。新潟県は立地自治体を中心に原子力防災計画・避難計画の策定を進めてきました。しかし、それらの計画を実効性という視点で見ると、多くの課題も残されています。すでに県が行った事故時の放射能拡散シミュレーションからしても、国の言う30km圏内に限った防災・避難計画では不十分なことは明らかです。
原発を抱える自治体として、米山隆一候補の掲げる「避難計画の実効性の検証」は県民の命と暮らしを守る上で、必須の課題です。

4.「人々の健康と生活への影響の検証」の進め方について
米山隆一候補は具体的施策の一つとして「原発事故の人々の健康と生活への影響の検証」を掲げておられます。県民の要望も踏まえた重要な提案だと思いますが、特に健康への影響については、専門家の間でも大きな意見の隔たりがあるのが現実です。その検証は実態に即して多面的に検証しなければなりません。県にはすでに「新潟県放射性物質の循環に関する実態調査検討委員会」が設置されていますが、この課題の検証には、専門家の意見も踏まえて、別途、専門家からなる委員会を設けて進めることが必要でしょう。

「国や東京電力に対しても言うべきことをしっかり主張します」という森民夫候補は政府与党や電力業界をはじめとする経済界の全面的支援を受けています。これでは県民の命と暮らしに関わる肝心のことが政府や電力事業者に言えないことは明らかです。

新潟県では、これまで県民の安全確保、環境保全、地域振興、情報公開等を課題として、原子力行政を進めてきました。原子力行政の基本は県民の命と暮らしを守る視点であり、そのために、県民の意見や思いを大切にすると言うことだと思います。6割から7割の県民が原発の再稼働に反対もしくはどちらかと言えば反対されている現在、そうした願いに寄り添いつつ、県政を進める知事であって欲しいと思います。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR