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柏崎刈羽原発の地下水問題

 12月3日、柏崎刈羽原発差止訴訟原告弁護団で地下水問題を学習しました。内容を簡単に報告します。


柏崎刈羽原発での地下水くみ上げ量は福島第1の4倍


 今なお、収束のめどが立たない福島第1原発。その収束・廃炉を妨げている要因の一つは膨大な汚染水を今なお生み出している地下水。稼働時のくみ上げ量は毎日800トン。

 しかし、柏崎刈羽原発では毎日2千数百トンから3千トンがくみ上げられている。新潟では積雪の影響で、冬場の地下水量が多い。(表1)。


サブドレイン排出量 表1: 柏崎刈羽原発の毎日の地下水くみ上げ量(平成26年度と27年度)

 この膨大な地下水の流入に対して、建屋周辺に流れ込む地下水を集め、排水する設備が設置されている。 原子炉建屋の下には集水管が網の目状に施され(図1・図2)、原子炉建屋やタービン建屋の四隅に掘られたドレインに導かれる。ドレインに流入した水が一定の高さになると、ポンプが働き、排水路を経て、海に流される仕組みである。図1の緑色は鮮新~更新統の西山層、黄土色は埋め戻し土である。
サブドレイン断面(7号機)図1:サブドレイン設備断面図
集水管設置状況   図2:サブドレイン配置平面図と断面図

 浮力で建屋を浮かす地下水ー事前調査は必須

 
 なぜ、こんな地下水対策が施されているのか、それは、この膨大な地下水による浮力が建屋を浮かすからです。従って、当然、建設前に地下水の量やその流れのシステムの解析が行われます。
 
 柏崎刈羽原発差止訴訟の原告弁護団では、昨12月3日、柏崎刈羽原発1号機の建設前に敷地の地下水の調査を担当された,元電力中央研究所の本島 勲さんをお招きして、勉強会を開きました。

 これまで、東電は原告側からの地下水に関する求釈明に対して、十分な回答を寄せていませんでしたが、それは地下水に関してほとんど注目せず、資料の管理もずさんであったことの裏返しでもあります。
 本島さんは1975年と76年の調査に基づいて、79年に調査報告を出されました。それに沿って必要な普段の地下水に対しては対策がとられているとのことです。
 その調査報告では敷地内で網目状に掘った井戸の地下水位データを元にした、等地下水位線も描かれていた由です。等地下水位線図(図3)があれば、表2の透水係数や地層の分布をもとに、地下水の流れも解読できます。
等地下水位線 
図3:柏崎刈羽原発の等地下水位線図(網目交点に掘られた井戸の地下水面の高度から描かれている)。この図と、地層各層の上限面図など地質との関連の解析が必要)
透水係数 表2: 敷地を構成する地層の透水係数

 この各層の水の通しやすさを示す透水係数は、試料を採取し、実験で求めます。この表では安田層
は一つの値になっていますが、東電自身の現在の知見で言えば、安田層は中期更新世から後期更新世にかけての堆積物で、その性状もかなり多様です。一つの代表値で表すのは間違っています。
ちなみに、柏崎刈羽原発の1~4号機側に設置された防潮堤が地震に伴う液状化を引き起こす可能性が否定できないことが大きな問題になっていますが、このことはとりもなおさず、これまで液状化しないとしてきた「安田層」のより詳細な解析でもってその可能性が出てきたものです。

中越沖地震直後急増したくみ上げ量


2007年の中越沖地震のあと、このくみ上げ量は表3に見るように、急増しています。
地震直後くみ上げ量 表3:中越沖地震前後の柏崎刈羽原発における地下水くみ上げ量

  その理由は現在のところ全く不明です。9月以降のデータがあるのかどうかも分かりません。


地震によるサブドレインシステムの損傷は未検討


 問題は、地震による影響が考えられていないことです。ドレインは一般建設物と同じ耐震性にすぎず、
大きな地震動が襲えば、福島第1と同様、ドレイン自体が地震動で損傷したり、液状化を引き起こし、その機能を失わせ、膨大な地下水が建屋を浮かそうとするでしょう。

 こうした地震時の対策がとられていないこと、そして、それらのドレインなど地下水対策が、規制基準には含まれず、審査対象外にされています。
 福島事故の教訓を踏まえるならば、当然、地下水に対する対策がどのように施されているか、審査するきです。
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立石雅昭

Author:立石雅昭
立石雅昭のブログへようこそ!
 福島原発の事故直後に新潟大学を退職。地質学を専門としています。それまでも原発の地盤問題に携わってきましたが、福島原発の事故はあらためてその恐ろしさを認識させてくれました。原発ゼロの運動を広げるために、新潟を中心に活動していますが、twitterやfacebookで書ききれない情報や思いを伝えられればとの思いからブログを始めました。よろしくお願いします。

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