六ヶ所村核燃サイクル施設の耐震安全性
- 2016/11/09
- 11:46

青森県六ヶ所村の日本原燃(株)による核廃棄物再処理工場などの耐震安全性に関して、依頼を受けて、原稿を書き送りました。この地域の活断層の認定に関して、東洋大学渡辺満久教授ほかの調査によって、日本原燃などの調査・解析の不十分さが指摘されていました(渡辺ほか、2008,2009)。福島原発事故前には地元の日本科学者会議松山力会員や「黙っちゃおられん津軽の会」の方たちとともに、それらの報告について地質学的な調査を...
新潟県の新しいリーダー米山知事とともに
- 2016/10/19
- 22:53

新潟県の新しいリーダー米山知事とともに 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を止め、原発ゼロへ2016年10月16日、新潟県政史上、また新たな1頁が刻まれました。県政史上初めて、野党系と呼ばれる知事が誕生しました。共産党・自由党・社民党・新社会党・緑の党と市民連合から構成される「新潟県に新しい知事を誕生させる会」が擁立した米山隆一さんです。米山さんは「福島原発事故の検証なくして、柏崎刈羽原発の再稼働論議はしない」...
柏崎刈羽原発直下の活断層
- 2016/08/27
- 22:50

柏崎刈羽原発敷地直下の活断層の活動性 東京電力の柏崎刈羽原発の原子炉建屋やタービン建屋など重要構造物の直下には23本の活断層があります。東京電力はそれらの活動年代を30万~20万年前とし、規制基準に言う活断層の活動年代「12~13万年前」より古いので、活断層ではなく、今後活動しない、と強弁。原子力規制委員会もそれを妥当としました。 規制基準に言う、12~13万年前以降に活動していないことが明らかであれば、今後...
原発を拒否した巻町住民の運動
- 2016/03/25
- 15:14

原発を拒否した巻町住民の運動 この3月10日、東京堂出版から刊行された「核の世紀」(編者小路田泰直・岡田知弘・住友陽文・田中希生)に、「地域と原発」と題して寄稿した。この寄稿文では、「原発建設を阻止した運動の教訓」という節で、新潟県巻町における日本で初めて住民投票でもって原発建設を阻止した運動に学ぼうとの趣旨で自分なりに当時の運動を整理した。この住民投票が行われて20年となる。 新潟では,更にその後、東...
活断層と震源断層
- 2016/03/13
- 00:49

活断層と震源断層 地震を引き起こす震源断層は、活断層の調査からどの程度推測することが可能なのか、今、私を悩ませている課題。 何を今更、と言われるかもしれない。地震予測の王道として、地表地形に痕跡を残す活断層を調べて、その断層の長さと、地震発生層の厚さを基に、発生する地震の規模を推定するというのが、主流というか、ほぼすべての研究。 断層や地震を専門とする訳でもない私が、こういう問題を提起しても受け入...
佐田岬半島のネオテクトニクス 予察
- 2016/01/20
- 20:27

愛媛県伊方原発の耐震安全性 佐田岬半島のネオテクトニクス 予察 報告 年開けて早々,1月11日と12日,伊方原発を止める会の和田事務局次長の案内で,伊方原発周辺の段丘を見て回った.簡単に報告する. 四国西部にあって,奇妙な形で海に突き出した細長い半島,佐田岬半島,その付け根に近い部分に伊方原発がある(図1). 図1 伊予灘から佐賀関にかけての活断層としての中央構造線と佐田岬半島(七山ほか,2002...
震源断層と活断層
- 2015/11/23
- 22:13

震源断層と活断層 -伊方原発の耐震安全性に関わってー 原子力規制委員会はこの7月,伊方原発が新規制基準に適合しているとの判断を示し,地元伊方町と愛媛県は10月下旬,再稼働に合意しました. ここでは,伊方原発の耐震安全性に関わる四国電力の報告やそれを了とした規制委員会の審査の問題点の一つを考えます. この問題は,他の原発の安全性にも関わる重大な問題です. 中央構造線の浅層での形状図1には四国電...
柏崎刈羽原発の耐震脆弱性(1)
- 2015/11/08
- 23:20

柏崎刈羽原発の耐震脆弱性(1) 規制委員会,年内にも基準適合判断? 東京電力(株)は新潟県の柏崎刈羽原発6・7号炉の再稼働に向け,1昨年9月に,規制委員会に対して,規制基準への適合性審査を申請しています.柏崎刈羽原発は福島第一原発と同じ沸騰水型の原子炉です.規制委員会は,この柏崎刈羽原発について,沸騰水型原子炉の中でも優先的に進めるとして,この春以降,急ピッチで審査を進めています.規制庁の審査会合を...
新疆ウイグル自治区ツアー紀行(3)
- 2015/10/02
- 17:17

中国・新疆ウイグル自治区ツアー紀行(3) 故城の立地環境 今回のツアーは都合9日間,もっと長い企画もあるが,初めての中国ツアーとしてはこのぐらいが最も適当かな.これぐらいでは全体像を把握したとは言えないでしょうね.何せ,変化に富んだ地形と気象,でも,雄大でそれぞれの規模が桁外れです.この厳しさと豊かさが同居した環境のもとで,まさに悠久の歴史が営まれてきたということを実感できるツアーでし...
新疆ウイグル自治区ツアー紀行(2)
- 2015/09/30
- 23:28

新疆ウイグル自治区ツアー紀行(2) 古城と遺跡巡り たくさんの古城と遺跡を巡りました.一つ一つの遺跡の歴史を語れば長くなります.ここでは,それらの古城・遺跡が立つ地形や地盤について感じたことを中心に書いておきたいと思います.まずはマリクワット古城. マリクワット古城 タクラマカン砂漠の南部,隊商の町と言われるホータン(和田)市を流れるユルン・カシュ(白玉川)のほとりにある古城 ...